N°37 - サン=テグジュペリ 考察 TERRE DES HOMMES, SE1

Sep.5: -
『星の王子さま』の作者、サン=テグジュペリは1900年に生まれ1944年に逝去しています。たった44年です。彼は飛行士でもあったので、天文学や星座の知識もあったようなのです。今私は、NHK出版の『100分de名著』という番組で特集された彼のエッセイとも言うべき『人間の大地』についての副読本テキストを読んでいる最中で、それが届くまでのマニアックな興奮はセカンドブログに記しました(Link)

『人間の大地』のフランス語原著 Terre des Hommes の試し読みをしていたとき(もちろん読めませんよ、ある単語を探してたのです*)、"Astrologue" が出てきました。つまり占星術師(Astrologer)です。

追記: そうです。『星の王子さま』にも天文学者(L'astronome)が登場していましたね。日本語の公式サイトを見て気がつきました。王子の出身星だと飛行士が睨んでいる、小惑星B612を発見した人物です。

サン=テグジュペリ自体は蟹座でした。素人ながら見ていきましょう。Astrodienst には出生データの信憑性が脅威のAAなる出生図があります(Link)。
特徴的な配置です。シーソーになっており、人生のテーマは絞られています。火星と木星がMC-IC軸にくっついているのが見てとれます。双子座のMCは、作家であり飛行機による郵便配達員であったマルチな職業遍歴に符合しますね。

11hには主要な個人天体がぎゅっとしてます。太陽はほぼカスプ上に位置。金星、水星、そして月がハウスの終わりにあります。つまり蟹座成分(プラス獅子座)のある11hです。先輩の飛行士たちを随分と尊敬していましたし、憧れの存在、苦楽を共にする同士といった感じで、強い結びつきを語っています。
ある職業の偉大さとはおそらく、何よりもまず、人々を結びつけることにある。真の贅沢は一つしかない。それは人間関係だ」とも記しています。本人が蟹座なのもあって情緒的な繋がりは非常に重視していたと思います。これはこの配置の太陽を正確に表した言葉じゃないでしょうかね。4hにもぎっしりありますしね。そして『星の王子さま』は22歳も年上の友人、ユダヤ人ジャーナリストのレオン・ヴェルト(Léon Werth)に捧げられています。彼にとって友情には深い意味がありそうです。このテキストを書いてもいる翻訳家の野崎歓さんは、フランス語のアミチエ(amitié)という概念を指摘しています。「家族や恋愛以外の親愛、共感、絆、連帯」だそうなのです。

このMCにビタビタの火星は、常に死と隣り合わせの危険な仕事ながら、そこにかける強い情熱を表現しているかのようです。飛行士になる前はここまで情熱をかけられる仕事を見つけられずにいました。ママンが反対しようと、この火星を表現できるものでなくてはならなかったのです。火星は使命感やロマンを表すのかもしれません。この時代の最先端技術である飛行機は危険そのものですが、いずれ旅客機に繋がるという「未来」に思いを馳せた「理想」の象徴でもあったと思います。11hっぽいでしょう。

他にも色々ありますが割愛して、私はDSC魚座に注目しました。DSC(ディセンダント)が「自分を補完する他者を求める」と示唆するならば、それは『星の王子さま』のように、繊細で儚い、非人間的な対象ではないかと思うのです。

また、彼は砂漠に不時着したときに、宇宙と地球の神秘に出会いました。彼は多くの人間がまだ到達していなかった空を探検することで、宇宙に触れ、星に触れ、大地を離れることでむしろ地球の姿を発見しました。また、命からがらのとき、敵対する宗教人/民族から差し伸べられた生命の水によって純粋な人間の優しさも体験します。異教徒の彼を「神だ」とも言っているのです。自分のコントロールが及ばない領域によって自分が生かされる体験が魚座的かなと思いました。

このDSCのサビアン・シンボルは魚座の7度で、「岩の上に横たわっている十字架」です。人間から失われた信仰心、良心、神性を彼は再び発見したいのです。それは「星の王子さま」の献辞の中にも通じるように思います。 

おとなは誰だって最初は子どもだったのですから (でも、そのことを覚えているおとなはほとんどいません)

自然と私はこの岩が水辺にあるものだと想像していまうのですが、岩の上ということは水に浸かっていないのですね。掲げられてもいない。だからやはり捨てられてしまったかのような十字架がシンボルです。(これはキリスト教に限りません)。だけど壊れてもない。やり直せる希望があります。

続く

✴︎

* フランス語で「あの世」と「永遠」の両義を兼ねる語だと野崎さんはいうのですが、分かる方いますかね?

先輩飛行士メルモーズ(Jean Mermoz)を語るときにも「永遠」が出てきますが、toujours でいいものか。辞書を引く限りでは、あの世の意味はない。(引用Link) まさか aeon でもないと思うし。(だとしたらフランス語に限らない)。あ、アミチエが出てきますね。

Si je cherche dans mes souvenirs ceux qui m’ont laissé un goût durable, si je fais le bilan des heures qui ont compté, à coup sûr je retrouve celles que nulle fortune ne m’eût procurées. On n’achète pas l’amitié d’un Mermoz, d’un compagnon que les épreuves vécues ensemble ont lié à nous pour toujours.

Antoine de Saint-Exupéry, Terre des Hommes

それにしても always は forever としても使われるわけですね。なんか不思議に思いませんか? 言われてみれば日本語でも「これ永遠にやってるわ」みたいなくだけた使い方をしますけど、いつも続く、即ち、永遠とも言えるわけですね。
英語圏だとミームのネタにされるぐらいあまりにも有名ですが、ハリーポッターのスネイプが「リリーを愛しているか」とダンブルドアに弱味(笑)を握られたときも、Always と答えましたし、ハリーが一度死んで蘇りの石を使うときに、周りに故人が集まってきて両親に「ずっとそばにいてくれる?」と聞きます。Until the very end. と言って、次に、「近くにいてね?」と言うとリリーは Always と言うのでした。ここで永遠にというよりも、状態がずっと続く、常に、的な Always が最適ですよね。その方がグッとくる。難しいけど日本語に吹き替えたときは「永遠(とわ)に」が自然かもしれません。しかもここは絶対故意に二人に同じ語を使わせています。ああ、やっぱりシンプルなものが一番作品としては強力なんだ。

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