N°72 - 曖昧なままで... SIT WITH AMBIGUITY / DELEVINGNE'S WINE

13 may 

答えを出さなければならない「問題」と見なすのではなく、ただの「状態」として、曖昧さや不確かさの中にいることは大切だ。

ハッキリさせたいことなんていくらでもあるけど、以前nhk「100分de名著」でやってたゴシック小説『ドラキュラ』の回で小川公代さんが紹介してた、negative capability (ネガティブ・ケイパビリティ: 不確かさや疑念の中にいられる能力)というジョン・キーツの言葉が忘れられない。曖昧さを大目に見る、白黒つかない問題を焦って単純化しない、分かった気になって相手の気持ちを決めつけない、あらゆる可能性を考慮しておく...そんな感じ。恋愛だってそうだよね。

宙ぶらりんでいられることがこのところのテーマ。pending - 何も事が起きない時間を受け入れるしかない『吊るし人』のように、でも『節制』のように、白と黒とを混ぜたグレーを許容すること。

私の性自認自体アンビギュアス(曖昧/多義的)で、クィアだなと思いつつも結局よくわからないまま放置してる。確定しなくてもいい気持ちと確定したい気持ちがある、むず痒い狭間。(基本的にはどうでもいいやってなってるけど時々悩む)

しかし、疑問の数の方が多く、答えがあることの方が少ない。

✴︎

世代的にも、不確実性や予測不能な事態に対する耐性が低いと思うんだよね。瞬時に答えにアクセスできて、人と繋がれて、行く前からどこの店に何がいくらで置いてあるのもわかるし、何時までやってるか今日開いてるかもわかるじゃん?

(余は1995年射手座冥王星のミレニアルとZのミックス。ちゃんと計算したら初カキコ...とタメだったね。遅生まれ=1994年だと冥王星は蠍座)

昭和だと、「とりあえず行ってみる、空振りだったらそれはそれで仕方ない」という体験をしてきてるから耐性があると思う。だから行動力もある。いや行くしかないんだよって言われそうだけど、無駄ボーン🦴したくない人からしたらフッ軽なんだぜ。待ち合わせだってそう。上の世代は偶然性と親しみがある。それを受容できるし、偶然を体験する頻度も私たちより高かったはず。早い話「なんとかなるっしょ」みたいな楽観性にも繋がる。スピリチュアルに言えば人生を信頼することになる。サレンダー的な手放し。

若い世代で友人・恋人間でgps共有するのが流行っているのは、待ち合わせ時にラインする手間が省けて、遅刻してるかも分かるからだって*1。まだ家にいるな、どこの駅まで来てるなって、そこから予測も立てられる。つまりこれ確実性を気にしてる効率と合理性なの分かる?? 確かにその意味では便利。これで常に繋がってるという心理的安心感も得られるわけね。把握しておきたいみたいな欲求が結構ある。
先に答えを知っておく、展開を知っておくことに安心したり。ファスト映画も同じ理屈。これが悪く出るとコントロール欲になる。ネットやLINEが当たり前だったことで「繋がってない」感覚に慣れてない、弱いんじゃないか。共感≒リアクションがないと不安だしね(既読, いいね, 足跡, 閲覧数...)。goddamn💀, 不確かさに耐えられない。高校生のときの口癖「不確実」だったからねマジで笑。「流れに身を任せる」の逆。景気も影響してるけど、単価の低いものとか費用対効果の高いもの、つまりコスパやタイパ(効率)を重視する結果、ムダが嫌いで失敗が怖くてトライに消極的とされる。

かと言ってそれを言い訳にはできないでしょ?
この曖昧さに慣れるしかないなって。
敢えて答えを出さないでおく、確定しないでおく。まだ観測されてない未来については、分からないものは「分からない」にしておく。aかbかに推測するのではなくて。少しずつ曖昧さを許容していく。

モヤモヤするんだけど、時間が解決してくれるかもしれないし、全く違う展開になるかもしれない。そう、ちょっと焦ブスになっちゃう。不安になりやすいかもしれないね。保留状態は落ち着かないし。この手っ取り早く結果を欲する姿勢が闇バイトやドバイ案件的な危ない稼ぎ方にも関連するのかもしれない。

結論を急がないこと。

これを書いてる日(5/12)のケイナーホロスコープの魚座の日報には、こう書いてあった:
人生の出来事のほとんどは、解釈にかかっています。言葉、表情、メール、記憶、そして沈黙さえも、私たちは常に物事が何を意味してるのかを理解しようとしますが、時には完全に勘違いしてしまうこともあります。問題は、ずっと後になるまで自分が誤解していたことに必ずしも気づけないということです」。

時代の回(n°44)でも言ったように、私たちの世代は人生の体感スピードが速いから早い展開を期待する。でも現実世界はペンタクル(地)のようにそれなりに時間を要するものだ。自然界は急いでない。自然を見て癒されるのはそこだと思う。悠々としたサイクルに基づいてる一日一日が、効率や成果とは程遠い場所で、宇宙規模で見たときに規則的で調和してるから。それを思い出させてくれるから。だって星は急げなんて言わない。太陽はあれしろなんて言わない。静かに生きることを学ぶ時なんだ。*2

便利な、利用可能(available)なところに身を置いてると、本当に必要なものが何か分からなくなるね。何が欲しいのかも、そう思わされてるだけで本当は何が欲しいのか・求めているのか分からなくなってくる*3。消費行動は楽しいけど終わりがない。結局いつまでも満たされないんじゃないかと。「今ここ」が完璧で十分だということを感じにくくしている。五感がこの世と魂とを繋ぐコードだとしたら、都会はより物質現実体験が鮮明だから触発される。欲望が生まれる。目を曇らせてしまう。

前に、カーラ・デルヴィーニュが自身のアルコール・ドラッグ依存症と断酒・断薬について語ってたことがあるんだ: *4


Your life can change if you give yourself a chance to really be who you are and SIT IN THE UNCOMFORTABILITY. 'cause, god, it's uncomfortable for a minuet. but it gets better and it's worth it.

that's why i find the term "recovery" quite difficult.
'cause you don't recover. and that's okay. that's why i prefer "healing".

本当の自分になるチャンスを自分自身に与え、居心地の悪い状態に身を置くことを覚えたら、人生は変わります。少しの間居心地が悪くても、状況は良くなるし、やってみる価値はあります。

だから「リカバリー(回復)」という単語はとても難しいのです。なぜって回復してないからです。でもそれでいいんです。それが「ヒーリング」という単語の方が好きな理由です。


冒頭で出た『節制』が水とワインを混ぜているように、彼女が三姉妹でやってるワインブランド『Della Vite』はノンアルコールも販売している。一家の名字、デルヴィーニュ(Delevingne)はフランス語で「ワインの木(of the vine)」という意味があり、ブランド名はそのイタリア版ってとこだ(from the vine)。節制の女性はカーラって考えてもいいんだな。


we are constantly healing


進捗が見えなくても、常に変化してるし、成長してるし、癒されてるし、前に進んでいる。

人生はプロセスだ。パス(道)だ。全ての道はスクリーンセーバーのパイプ管のように繋がっている。だから失敗はない*5。遠回りしてきちゃったなと落ち込むことはある。でも歩んできた道にこそ価値があった。プロセスこそ人生だった。私たちは結果で判断しがちだ。意味は? 成果は? この人生で何を成し遂げたんだ? 実際に体験することにこそ意味があるんだ。ドラマチックでなかったとしても、思うような素晴らしさじゃなかったとしても。mcの後もハウスは続く。最終到達地点がどうとかじゃないんだ。
全くストレートではないぐにゃぐにゃの山道だったけど、その万歩計はムダじゃないんだよね。ロコモア以上の価値があるよね。だってスムーズに生きてたら占いに興味持たないし、こうして書くこともなかった。私のような迷える子羊でも本当の自分に辿り着くようにできてるのさ。

✴︎

*1 - 子どもの時に親から防犯でgps付けられてた人なんかはgpsに対する抵抗感が低いのではという意見がある。それはありそう。逆に常に繋がっていることがストレスになる現象も起きてるだろうけどな。ここではzの悪いとこしか書いてないけど実際には一長一短だ
*2 - 前テルマが恋人と別れた理由に、生きるスピードが違ったって答えてたんだよな。
*3 - link バシャールの7つの中立的ニーズを岩瀬さんが解説: マズローの承認欲求は必要(ニーズ)じゃない。嫌われたくないも好かれたいも幻
*4 - link - Vogue youtube (en), 2023: Cara Delevingne Opens Up About Sobriety & Healing. 前年空港での奇行(eratic)がパパラッチされたことがきっかけで有名な12ステップのプログラムを始めた。ある意味あの写真や動画は「リアリティ・チェック」だったという。上記の引用文間違ってたらごめんやで
*5 - link 「失敗はない」オプラ・ウィンフリー翻訳動画のリンク。


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